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歯周再生療法・エムドゲイン法

2017年7月5日

歯周組織再生療法には大きく分けて、GTR法とエムドゲイン法の二つがありますが、このページではエムドゲイン法について解説します.

エムドゲイン

エムドゲインは、スウェ-デンのビオラ社で開発された歯周組織再生誘導材料です。

エムドゲインの主成分、エナメルマトリックスデリバティブは、歯が生えてくるときに重要な働きをするタンパク質の一種です。

歯周外科手術の際に露出した歯根面にこのエムドゲインを塗布して歯の発生過程に似た環境を再現して、歯周組織の再生を促そうというのがエムドゲイン法です.

 

エムドゲインの術式

歯周病学サイドリーダー、学建書院、下島孝裕から引用

麻酔を行って歯肉を切開して歯の根面の歯石を取り除きます.

歯根面の汚れが取り除けたら、その根面にエムドゲインジェルを塗布して歯肉を縫合して手術を終えます.

 

重度歯周病には効果がない

エムドゲインが歯周組織再生にどの程度効果があるのか、臨床的な報告がほとんどありません.

したがって、ある程度憶測で書くしかないのですが、GTR法の例からも分かるように、学問レベルで報告されている再生療法の効果と患者さんが望んでいる臨床的な歯周組織再生のレベルとはかなり大きな隔たりがあります.

少なくとも、私たちが抜かずに治したいと考えているような、歯槽骨支持量が1/3以下の重度歯周炎の治療は適応でないことは確かです.

我々が「抜かずに治す」対象としているレベルの歯周炎はGTR法やエムドゲイン法などの歯周再生療法では決して救うことはでないレベルです.

再生医療というと、言葉の響きは良いのですが、あまり大きな期待はかけない方がよいと思います.

 

関連図書

【歯周病の新常識】

歯周外科手術は必要なのか P59、

歯周外科手術が全身をむしばむ? P78

 

歯周病の新常識
小西昭彦
阿部出版
歯科治療の新常識
小西昭彦
阿部出版

小西歯科医院のホームページ

 

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