こに視点|現代日本の歯科事情

歯科医院経営のためのインプラント

2018年4月24日

 

2019年3月14日付で、国民生活センターがインプラントに対する注意を喚起しています.

以前からインプラントのトラブルが問題になっていましたが、相変わらず多くの歯科医がその失敗を繰り返しているようです.

なぜ、インプラントの失敗がなくならないのでしょうか?

それは、開業歯科医の経営が年々厳しくなっており、インプラントが歯科医院経営のためになくてはならないものになっていて、無理してインプラントを埋入する歯科医が増えているからです.

 

国民生活センターホームページ|あなたの歯科インプラントは大丈夫ですか

手術直後から痺(しび)れがとれない、治療前に患者の身体状態を確認せず施術されたなどインプラント治療指針に沿っていないと思われる事例のほか、歯科医師が治療を断念して、どのように治療を継続したら良いかわからないなどの事例もみられます。

国民生活センターURL : http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20190314_1.html

 

かつてインプラントは日陰者だった

インプラントはブローネマルクというお医者さんが発見した歯槽骨とチタンが強固に結合するというオッセオインテグレーションという現象を応用することにより現在の隆盛を迎えました。

それ以前にもブレードタイプやサファイアタイプのインプラントが植立されていました。

しかし、これらのインプラントは骨植も悪くほとんどのものが失敗に終わったために、歯科治療の傍流として一部で細々と行われているにすぎませんでした。

したがってオッセオインテグレーションを応用したインプラントも当初はそれほど注目されておらず、企業主導で広まっていきました。

 

インプラントは企業主導で広まった

最初のころのインプラントを勉強しようとすれば、企業主催のものしかありませんでした。

「インプラントはだれでもできます、とにかくやってみましょう、それについては当社のインプラントスターターキットがお買い得です」というような宣伝がらみのものばかりでした。

「初めてインプラントを埋入するときは当社のインストラクターがあなたの医院にお伺いしてお手伝いします」といった至れり尽くせりのサービス付きのものまでありました。

インプラント手術の後に話を聞いたら、そのインストラクターは歯科医師の免許も医師の免許も持っていない、その会社のサラリーマンだったというちょっと空恐ろしい話も実際にあったのです。

 

”利益の追求”がインプラントを発展させた

企業は、歯を失った患者さんの健康回復のためにインプラントが必要と考えて、インプラントの普及に努めたわけではありません。

インプラントは儲かる、商売になるとふんだからこそその普及に積極的に関わったのです。

このことがその後の歯科医療に大きな影を落としたと私は考えています。

企業主導、利益優先の考え方がインプラントを先導していったのです。

 

歯科医院経営の救世主

一本20万円も30万円もするインプラントは、低い保険点数、患者数の減少で経営難にあえぐ歯科医にとって救世主となりました。

一人の歯科医が一日1本のインプラントを毎日埋入すれば歯科医院の経営は安泰だからです。

恩恵をこうむるのは歯科医だけではありません。

インプラント体やその手術に必要な器具機材を売る業者にも大幅な売り上げ増加が望めます。

業者は歯科用CTを完備する必要のない小さな個人医院にまで高い機材を売りつけようとします。

手術室を完備したり、歯科用CTをそろえたりすれば、何千万という費用がかかります。

設備投資に高額のお金をかけた歯科医は、そのもとがとれるだけの仕事をしなければなりません。

したがって、抜かなくても良い歯まで抜いてインプラントを埋入したり、インプラントの必要のない患者さんにもインプラントを勧めたりすることが起こってくるわけです。

 

インプラントが自分の健康に役立つのか考えてください

インプラントが自分の健康のためになるのかよく考えてくださいインプラントの隆盛には患者さんの健康とは関係のない医院経営という事象がからんでいます。

インプラント医には患者さんの“利益=健康”は二の次三の次で、自分たちの“利益=儲け”を優先する気持ちが見え隠れしているように私には思えます。

このような歯医者にかかっては、ご自分の健康のために歯科医院に行った患者さんは救われません。

インプラントがご自分の口の健康にとって本当に必要なものなのか、十分考えてから施術をお受けになることをお勧めします。

 


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小西昭彦
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