こに歯学|歯科の記事

歯を白くする、ホワイトニングは歯を傷つける

2019年2月14日

 

ホワイトニングというのは、歯の表面を薬剤処理して白く見せる方法です.

ホワイトニングは自費診療で歯科医院の収入増加につながるので、多くの歯科医院のホームページで「ホワイトニング」の文字が踊っています.

しかし、ホワイトニングは歯に傷害を与える行為です.

いくら見た目がよくなるからといって、歯の健康を犠牲にしてまでおこなう必要はないと私は思っています.

 

薬剤による歯の漂白をホワイトニングといいます

ホワイトニングで使用する薬剤は過酸化水素水や過酸化尿素などです.

それらの薬剤が放出するフリーラジカルによって歯に化学的な変化を与え、歯を白濁させるわけです.

ホワイトニングは1990年ころからはやり始め、当初はブリーチングとよばれていました.

歯を漂白するのでこの用語が用いられ、現在でも正式名称は”ブリーチング”です.

なぜ、ブリーチングからホワイトニングに呼称を変更したのかよくわかっていませんが、そこには経営的な戦略があったのではないかと考えられます.

ヘアカラーや食品添加物の過酸化水素水によるブリーチング(漂白)はその危険性がよく知られています.

したがって、ブリーチングという言葉から連想される毒性や危険性のイメージを払拭するために、ホワイトニングと呼び方を変えたのではないでしょうか.

 

ホワイトニングとクリーニング

 

歯の汚れをとる行為としてはクリーニング(歯面清掃)があります.

クリーニングは歯に付着した歯垢やステインなどを歯磨き剤(炭酸マグネシウムやシリカなどの研磨剤)で物理的に取り除く行為です.

クリーニングは歯を研磨するだけなので化学薬品による影響はありません.

 

ホワイトニングの後しみるのは歯に傷をつけているからです

ワイトニングは薬剤により歯の表面に細かい傷をつけて、光の乱反射により歯を白く見せています.

健康な歯にわざわざ傷をつけて白く見せようというのがホワイトニングの本質です.

ホワイトニングをすると、歯がしみることがあるのはそのせいです.

歯に傷をつけることにより、歯が本来持っている透明感や輝きは失われてしまいます.

しかも、その白さはステイン(食物などの色素沈着)などがその傷に沈着することでいずれ失われてしまいます.

ホワイトニングを勧めている歯科医院でも、半年程度経過すると再ホワイトニングを勧めています.

そんなに頻繁に歯の表面にフリーラジカルを作用させては、エナメル質もたまったものではありません.

歯にとってよいことはひとつもありません.

 

知覚過敏抑制剤の広告です

左の図でホワイトニングをした歯の表面に亀裂が走っているのが確認できます.

この薬剤はその亀裂を封鎖する効能があると宣伝しています.

しかし、わざわざ薬で歯にヒビをつけて、それを薬で治さなくてもよいのではないかと思うのは私だけではないでしょう.

この薬剤は健康保険が適用されます.

自費治療で歯に傷害を与え、健康保険でそれを治す.

自費でインプラントを入れて、それを除去するときは健康保険が適用される、という愚行をここでも犯しているわけです.

 

ホワイトニングでおこる知覚過敏の注意書き

ホワイトニングのパンフレットに書いてあった文章です.

痛みが出るというのは化学薬品がゾウゲ質に傷害を与えていることにほかなりません.

自然治癒力が働いてゾウゲ芽細胞が第二ゾウゲ質を作るので、痛みは治まるでしょうが、歯の健康を害していることは間違いありません.

身体にとって危険な薬剤を口に含む必要がありますか?

 

歯科医院でおこなうホワイトニングをオフィスホワイトニングといいます.

オフィスホワイトニングは高濃度過酸化水素水という危険性の高い薬剤を使用するので、歯科医がいるところでしか行うことができません.

一方、マウスピースに過酸化尿素を主成分とした薬剤をいれて、自宅で使用するホワイトニングをホームホワイトニングといいます.

過酸化尿素は過酸化水素水より毒性が少ないので、歯科医がいなくても使用できるわけですが、マウスピースに入れた薬剤がある程度外に漏れてしまうことは間違いありません.

いずれのホワイトニングも妊婦や授乳中の母親には行わないように指示がでています.

つまり、歯の表面だけではなく、全身への影響も心配であるということです.

身体に危険性のある化学物質をわざわざ口に含む必要があるのでしょうか.

ご自身の身体のことです.よくよく考えてホワイトニングを行ってください.

 

 

-こに歯学|歯科の記事

© 2024 小日誌《こにっし》 Powered by AFFINGER5