分割治療で抜かずに残せますか?
「歯周病は怖くない」の本の中で、末期歯周炎で骨の吸収が進んでいている方に、歯根の分割治療を施された症例が載っていますが、当方にも適応の可能性があるかお伺いします。
おできのような口内炎ができています
4、5年前にクラウンをかぶせた左下の奥歯ですが、2年前におできのような口内炎ができました。
歯周病の始まりということで、かかりつけ医院でレーザーで切って頂きました。 しかし、その後もその場所には相変わらず常にぷっくりできておりました。 ひと月前、この左下奥歯がうずいて浮く感じがしたのでレントゲンをとってもらうと歯根の分岐点から下の部分が真っ黒でした. 歯周病で骨が溶けてなくなっているとのことで、ジスロマックを処方していただき、二週間後にレーザーで切開し膿を出しました。 指で動かすと動揺します。 |
抜歯と言われています
今かかっている歯医者さんには抜歯と言われています。
もし分割治療で何年か延命できる見込みあるなら是非検討させて頂きたいと思っております。 ただ、ほかの歯の歯槽骨はほぼ正常ですので、歯周病というのとちょっと違うようです。 また私の場合、食いしばりが強いので、一月からナイトガードを始めました。 まだ膿が出ているような気もし、早く悪いところを直さねば両隣の歯槽骨ももっとなくなりそうで焦っております。 |
歯を残せる可能性は高いと思います
ご質問は分割治療で歯の延命ができるかどうかということだと思いますが、この歯を残せる可能性は高いと思います.
分岐部病変の原因はさまざま
おできのような口内炎のことを膿瘍といいます.
この膿瘍は根分岐部の病変が関係している可能性が高そうです. 根の分岐部になぜ病変ができたのか分かりませんが、原因としては歯根の破折や歯周病が考えられます. 場合によっては根管の感染もあるかもしれません. はっきりしたことは申し上げられませんが、メールの内容から判断すると、歯を保存する処置を試してみる価値はありそうです. |
原因に対して的確な処置をおこなう
分岐部病変の治療は、その原因をつきとめ、それにみあった治療をおこないます.
歯周病による膿瘍の場合は、オーラルフィジオセラピーを行います. 歯周病ではなく、歯根破折や感染根管による膿瘍の場合は冠とコアを除去して、歯根破折の有無を確かめ、歯冠部歯髄腔の感染歯質を徹底的に取り除き、その後根管治療や歯根破折に対する治療を進めます. 細菌由来の分岐部病変がある場合はご指摘のように根分割が有効です. まず、何が膿瘍の原因になっているか突き止めることが重要です. いたずらにレーザーやジスロマックなどの抗菌剤を使用しても改善は望めません. |
両隣の歯への影響はありません
両隣の歯に影響を与えることを危惧なさっているようですが、分岐部病変がいくら進行しても隣の歯の状態を悪くするようなことはありませんので心配なさる必要はありません. |