こに歯学

歯科領域では耳慣れない専門用語も多く、歯科医の説明が良く分からないこともあると思います.

また歯科治療の方法は歯科医によってかなり違っているので、担当歯科医の治療が自分に合っているかどうか判断に迷うこともあると思います.

歯科治療やその基礎となる歯科医学についてなるべく科学的根拠に基づいた正確なところをお知らせしたいと思います.

 

こに歯学|歯科の記事

ときに悪玉菌、しばしば善玉菌、常に常在菌

マイクロバイオーム計画の研究成果の中でもっとも印象的なのは、常在微生物群の種類とその働きの多様性です。 細菌はあるときは善良な住民であり、あるときは悪の権化となり、そしてまたある時は正義の味方となると ...

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抗生物質が免疫系を破壊する

マイクロバイオーム計画により生体に常在している微生物群の詳細が分かってくるにつれ、それらの常在微生物群(マイクロバイオータ)は我々が生きていくうえで必要不可欠な存在であることが分かってきました。 マイ ...

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歯科の抗生物質で死亡

歯科治療で投与された抗生物質が人の命を奪ってしまったという話があります。 (失われてゆく我々の内なる細菌:M・ブレイザー) 抗生物質投与が腸内細菌群の攪乱を招き、それがもとで亡くなってしまいました。 ...

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「歯周病はうつる」という誤解・歯周病原菌からディスバイオシスへ

「歯周病は感染症で歯周病菌はうつる」と2008年に発行された『臨床歯周病学とインプラント』の第5版には書かれています。 しかし、2015年に発刊された第6版ではその考え方がガラリと変わっています。 歯 ...

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歯周病はキスでうつらない

「歯周病はキスで感染する」と多くの歯科医が言っています。 本当にキスで歯周病がうつるのでしょうか? 「キスで歯周病がうつる」というのはまったくの都市伝説です。 現代の細菌学や歯周病学の観点から考えれば ...

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「歯周病はうつる」という誤解・感染と伝播

「歯周病はキスや食べ物の口移しでうつる」と言われています。 しかし、歯周病学の文献や教科書にはそのようなことは書かれていません。 なぜそのような間違った情報が広まってしまったのでしょうか? 理由の一つ ...

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親密なキスと口腔内マイクロバイオータ

キスで口の中にいる細菌が相手の口に「うつる」のかどうか調べた研究があります。 キスをすると口の中の細菌は一時的に相手の口に移動するが、定着することはほとんどないという結論が報告されています。 関連 歯 ...

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「重度歯周病は早く抜いたほうがよい」というウソ

  歯周病関連のホームページに重度歯周病の抜歯についてのQ&Aが載っていました.   patient1 Q  : 歯周病の歯を抜いた方がよいといわれました.治療をしても自分 ...

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「抜かないと隣の歯の骨まで溶けてしまう」というウソ

「歯周病の歯を無理して残しておくと、隣の歯の骨まで溶けてしまうから抜いた方が良い」というのは多くの歯科医が歯を抜きたいときに口にするセリフです. しかし、そのようなことは一切ありません.   ...

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「抜かないと隣の歯に菌がうつってしまう」というウソ

抜歯の理由としてよく言われているのが、 『歯周病の歯は歯周病菌がうつって、隣の歯に悪影響を与えてしまうから早く抜かないといけない』 というものです. しかし、隣の歯に歯周病菌がうつることはありません. ...

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咬合性外傷(こうごうせいがいしょう)ーむし歯でもないのに歯が痛む

寝起きに歯が痛み、抜歯と言われました patient3三か月ほど前に左上の奥歯が寝起きにびっくりするほど痛み、その後も痛みが続くので歯科医院を受診しました。 むし歯ではなく歯周病で、かみ合わせが悪いた ...

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歯を白くする、ホワイトニングは歯を傷つける

  ホワイトニングというのは、歯の表面を薬剤処理して白く見せる方法です. ホワイトニングは自費診療で歯科医院の収入増加につながるので、多くの歯科医院のホームページで「ホワイトニング」の文字が ...

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フェルールのない残根の歯も抜かない

  フェルール(Ferrule)とは フェルールというのは、 パイプや棒などをつなぎ合わせる部品のことです。 配管の継ぎ手や、消しゴムつき鉛筆の消しゴムを固定する金輪などがフェルールです。 ...

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根分岐部病変(こんぶんきぶびょうへん)、抜かなくてはいけませんか?

  奥歯で歯の根が2本以上ある歯の根と根の間におこった病変を根分岐部病変(こんぶんきぶびょうへん)といいます。 進行した根分岐部病変になると、抜歯を選択する歯科医が多くなります。 私たちは根 ...

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リグロスの問題点

リグロスというのは歯周組織の再生効果をうたって発売された健康保険適用の歯周病治療薬です。 リグロスに関する私の考えは以下の二つです。 ①歯周組織の再生治療薬としての効果はさほど期待できない。 ②歯周病 ...

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ブラックトライアングルの改善(歯間乳頭の回復)

  patient1歯石をとってもらったのですが、歯と歯の間の歯肉(歯間乳頭・しかんにゅうとう)がなくなってしまい、気持ちまで落込んでいます。 ブラックトライアングルを回復する方法はあります ...

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歯周ポケットが深くても抜歯しない

  「ポケットが8mm以上あるから抜かなければいけないと言われた」 とおっしゃって相談にみえる方がいらっしゃいます. 定期健診で行った歯科医院でポケット測定をしたところ一か所深いところあった ...

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歯周病菌(2000年前後の考え方)

歯周病菌に対する考え方はこの20年の間に大きく変化しています。 現在、日本では歯周病菌という用語がさかんに使われていますが、ヒトマイクロバイオーム計画の結果が発表されて以来、専門分野の文献では歯周病菌 ...

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歯周病と全身疾患の関係を心配しすぎない

歯周病と全身状態の関連を研究するペリオドンタルメディスンの発展によって、歯周病が心臓病や糖尿病などの全身疾患と関連していることが分かってきました. それを理由に「歯周病を放置しておくと大変なことになる ...

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日本人の8割が歯周病というウソ

ネット上で日本人の8割が歯周病にかかっているという記載をよく見かけますが、これは本当のことでしょうか❓ 歯石がついているだけでも歯周病としている 8割という数字の根拠となっているのは、平 ...

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歯周再生療法・エムドゲイン法

歯周組織再生療法には大きく分けて、GTR法とエムドゲイン法の二つがありますが、このページではエムドゲイン法について解説します. エムドゲイン エムドゲインは、スウェ-デンのビオラ社で開発された歯周組織 ...

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歯周組織再生療法・GTR法

歯周組織再生療法は、歯周病が進行して破壊されてしまった歯周組織を再生したいということで開発された治療法です. 再生療法には大きく分けて、GTR法とエムドゲイン法の二つがありますが、このページではGTR ...

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抜歯と言われたときにやるべきこと

  歯科医に抜歯と言われても、不安になる必要はありません. その歯を抜かなくても身体に為害作用が働くことはありませんし、全身に悪影響を与えることもほとんどありません. 歯を抜くと言われたら、 ...

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歯牙接触癖(TCH : Tooth contacting habit)

  歯牙接触癖とは 歯に悪影響を与える力としては咀嚼時の力の他に噛みしめや歯ぎしり、歯牙接触癖などの不良習癖があります. 不良習癖の中で最近注目されているのが“歯牙接触癖”です. 人間の歯は ...

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ドックベストセメントの問題

ドックベストセメントが“削らない”治療、”痛くない”治療法ということでマスコミで取り上げられることがあります. ドックベストセメントは”OK牧場の決闘”で有名なドク・ホリデーにちなんで命名された歯科用 ...

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エクストゥルージョン(歯の挺出)

むし歯などで歯肉が歯を覆ってしまったときに、歯を歯肉の上に引っ張り出す処置をエクストゥル―ジョン(歯の挺出)といいます. エクストゥル―ジョンには外科的挺出と矯正的挺出があります. 外科的エクストゥル ...

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歯周病の活動期と静止期(バースト仮説)

ソクランスキー先生のバースト仮説 歯周病には”活動期”と”静止期”があるという考え方があります. これを”バースト仮説”といいます. 歯周病の歯のグラグラが増加して、頻繁に急性発作を繰り返す時期(静止 ...

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妊娠性の歯肉炎

  妊娠中でつわりがあり、今までなんともなかった歯ぐきが何ヶ所も腫れてしまい、歯磨きをすると出血や痛みがあり心配です.     出産が終われば改善します 赤ちゃんがおなか ...

こに歯学|歯科の記事

歯周外科手術は必要ですか?

patient2現在アメリカ在住の60代の女性です。 私はこちらで一番奥の歯が片方が8mm、もう一方が6mmのポケットがあり、歯茎を切る手術をするように勧められています。 本当に手術をしなければならな ...

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アブセス(膿瘍)とフィステル(瘻孔・ろうこう)

化膿性炎症により組織に膿がたまった状態がアブセス(abcess)です。 日本語では膿瘍(のうよう)といいます。 アブセス(膿瘍)徐々に大きくなり、時間経過とともに歯肉粘膜や皮膚にフィステル(瘻孔・ろう ...

 

2019年4月28日

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